少年野球 試合開始から試合進行の主なルールや禁止事項を詳しく解説

野球のルールというのは本当に複雑で奥が深く、野球経験者や野球が大好きな人にとって『そんなの知ってる』という当たり前のルールであっても、実はそれが間違っていたという事も珍しくありません

日本には少年野球からプロ野球まで様々な階級の野球がありますが、その全てが

『公認野球規則』という日本の野球の公式ルールに沿って試合が行われています

そこで今回は、日本の野球のルールの中でも『少年野球』の試合開始から試合進行に関わるルールや、規定で禁止されている禁止事項などについて、詳しく解説していきます

小学生の少年野球は、軟式の学童野球と硬式のリトルリーグに分かれていますが、この記事では軟式の学童野球のルールをメインにお伝えしています

少年野球 試合開始から試合進行の主なルール

試合を行う上で、試合開始から試合進行に関する少年野球の主なルールには以下のようなものがあります

少年野球 試合開始の手続きと流れ

少年野球の試合が開始される前には、監督やコーチが記載したメンバー表2枚(正本と副本)を、監督か監督が指名した人物(主にキャプテン)が相手チームと交換します

メンバー表には打順とポジションが記載されており、交換は球審を通して行います

球審は受け取ったメンバー表の正本と副本を見比べて間違いがないか確認し、間違いなければ相手チームの監督に副本を手渡します

このメンバー表に記載された選手のみがその試合に出場可能で、記載された打順を途中で変更することも出来ません

全日本軟式野球連盟主催は、ベンチ入り出来るメンバーを、選手は10名以上20人以内。それ以外は監督1名・コーチ2名以内・チーム責任者・スコアラー・マネージャー各1名ずつとしています

先攻・後攻は監督かキャプテンが球審の前でジャンケンをして決めますが、あらかじめお互い同意で決まっていればそれに従っても構いません

これらの試合開始前準備が終われば、審判を前にして本塁前に両チームが整列し、挨拶を交わして試合が開始されます

なお、球審のプレーボール宣告は、先攻チームの1番打者がバッターボックスに入り、打撃体制に入った時点で行われます

少年野球の規定イニングや勝敗の決め方のルール

少年野球では、ほとんどのリーグで小学校高学年は7イニング低学年は5イニングという規定で試合を行っています

また、グラウンドの都合(時間制で借りている等)でイニング関係なく時間で打ち切りになる可能性がある場合は、あらかじめ規定時間を過ぎたら次のイニングには入らないという特別ルールを事前に決めておく事もあります

コールドゲームに関しては4回で10点差、5回で7点差と決めているリーグが多いです

同点の場合の特別ルール

7回終了時に同点の場合、10回まで特別ルールの延長戦を行い、それでも勝敗が決まらない場合は抽選で決着をつけます

この延長特別ルールとは、ノーアウト満塁の状態からイニングを開始し、決着がつくまで(10回まで)行われます

※この特別延長ルールは、リーグや大会によって異なる場合があります

少年野球で中断・無効試合になる場合

突然の大雨やアクシデントで試合が成立せず中止や無効試合(ノーゲーム)となる場合が少年野球でもあります(4回を終了出来なかった試合は無効試合)

中止や無効試合になる主な条件は以下のような場合です

フォーフィッテッドゲーム

反則行為を繰り返したり一方のチームが試合続行を拒否するなど、迷惑行為や規則違反があった場合『フォーフィッテッドゲーム(没収試合)』となり、相手チームの勝利となります

サスペンデッドゲーム

停電や、ナイター設備のないグラウンドで日が暮れてしまった場合など、審判がゲーム続行が難しいと判断した場合、試合を中断し、後日その中断した状況と全く同じ場面から試合を再開させることがあります

これを『サスペンデッドゲーム(一時停止試合)』と言います

これ以外でも審判の判断で試合が中断されたり無効・没収試合となる場合もあります

■ 少年野球でのボールインプレーとボールデッド

試合を進行していく上で『ボールインプレー』と『ボールデッド』を理解しておくことはとても大切です

『ボールインプレー』とは、球審の『プレー』の宣告で始まった試合が進行状態という最中のことを表していて、いったん試合が始まると、審判がタイムをかけるかボールデッドになるまでボールインプレー状態が続きます

『ボールデッド』とは、ファールやボーク、あるいは審判がタイムをかけた時など、試合が停止している状態の時をいいます

審判にタイムを宣告する主なパターン

監督が選手交代を告げたり、選手に指示を与える際にタイムを申告するという一番多いパターン以外にも、タイムをかける場面はあります

例えば汚れたボールをキャッチャーが交換要求する場合も、タイムをかけてからボールを球審に渡しますし(もしくはベンチ側に転がす)キャッチャーマスクにボールが挟まった場合もキャッチャー自らタイムをかけて取り外します

また、少年野球でよく見られるのが、キャッチャーのヘルメットがずれてしまう場面です

試合中何度もマスクをずらしたり外したりするため、ヘルメットがずれてしまうのでしょう

そのような場合にヘルメットを直す際、タイムをかけないと、もしランナーがいる場合は進塁を許してしまう事もありますし、3塁にランナーがいれば得点に繋がるかもしれません

なので、このような場合も必ずタイムをかけるようにしましょう

その他、スパイクの紐が解けて結び直したりユニフォームの乱れを直す場合も、ランナーがいる場合は、タイムをかけて行う方がいいですね

少年野球での選手交代ルール

選手交代はボールデッド時に監督がタイムをかけ、タイムが受理された後、球審に伝えることで行うことが出来ます

選手交代をし、1度ベンチに退いた選手はその後、その試合に出場する事は出来ません(全日本軟式野球連盟の規定では交代選手がベースコーチに入ることは認めています)

交代後に他の選手のウォーミングアップの相手として関わるのは認められています

なお、選手交代の際の打順は、代わった選手の打順をそのまま引き継ぐ形になります

少年野球 投手交代での注意点

先発投手は、最初のバッターを打ち取るか出塁されるかしなければ交代出来ません。そのバッターがアウトになるか塁に出るまで投球義務があります

二番手以降の投手も、最初のバッターを打ち取るか出塁されるか、もしくはその回がチェンジになるまで交代することは出来ません

ただ、例外として、肘や肩を急に故障してしまったなど、明らかに投球が不可能と球審に判断された場合は、最初のバッターを完了させなくても投手交代は可能です

投手交代をした際、試合に挑むための準備投球(ウォーミングアップ)が認められており、少年野球の場合、初回に8球、次のイニングからは4球というルールを採用しているリーグが多いですね

また、全日本軟式野球連盟は小学生が変化球を投げることを禁止しており、変化球を投げる事で退場になることがあります

これはまだ体が未熟な小学生の、怪我や関節の障害を防ぐために設けられたルールです

小学生の投手が変化球を投げた場合、まず球審にその変化球はボール宣告され、以後変化球を投げない様に注意されます

しかし、それでも再度変化球を投げた場合は退場処分となり、以降その大会の試合には出場できないという厳しいルールもあります

ただ、この変化球というのも、球審が『変化球と判断した場合』という曖昧なものになっていますし、地域やリーグによってはここまで厳しくない場合もあります

それでも小学生の頃から変化球を多投するの片肘に大きな負担がかかってしまいますし、連盟でこのような規定が掲げられている以上、変化球禁止は必ず守りましょう

上記以外でも、監督やコーチがピッチャーマウンドに行って指示を出す場合、1イニングで2回マウンドに行くと自動的にピッチャー交代となります(1試合でマウンドに行ける回数の上限は決まっていない)

マウンドに行くだけではなく、ファールラインを超えての指示も同じ扱いとなります

ちなみにキャッチャーがピッチャーマウンドに行ける回数は7イニング制の場合3回で、延長2イニングにつき1回となります

少年野球 攻撃側の選手交代の注意点

攻撃側のチームで行う選手交代は代打と代走がメインになると思いますが、この時の交代もプレー中ではなくボールデッドの時に行います

投手と野手の交代ルールには大きな違いがあり、リリーフ投手は最初の打者を完了させるかイニングを終わらせるまで交代の権利がないのですが、打者には代打の代打が認められています

だだ、代打を送られた最初の代打選手も、1度代打を宣告された時点で試合に出場したとみなされるので、その試合にはそれ以降出場することは出来ません

また、少年野球では、臨時代走というルールがあり、これはランナーが負傷してしまった場合、その治療中だけ臨時の代走を置くことが出るというルールがあります(選手の人数が少ないチームの救済措置といった感じです)

臨時代走は一番直近で打席を終えた選手が選ばれるのが一般的です(投手と捕手は除外)

ちなみに、ホームランを打ってダイヤモンドを回ってる最中に足を怪我してしまった場合は、その怪我をしたランナーに代走を出してホームベースを踏ませなければなりません

ホームランを打てばそれで得点というわけではないんですよね

少年野球 審判への対応について

少年野球では、審判の裁定に関してはどんなに不満があろうが異議を唱えたり文句を言うことは出来ません

プロ野球ではセーフアウトに関しリプレイ検証があったりしますが、少年野球では審判の裁定は絶対なので、もし明らかにチームや選手がセーフだアウトだと確信しても、審判が1度判断を下した以上はそれに従うしかありません

ただ、明らかに審判が野球連盟の規則から誤った裁定を行ったと感じた場合、その裁定の訂正を要請することが、監督と当該選手のみ認められています

規則から誤った裁定というのは、ボールカウントの間違いだったりなど、誰が見ても明らかに間違いが解るプレーですね

ただその抗議に関しては、次のプレイが始まるまでしか認めてもらえないので、もし明らかな間違いがあった場合は、即座に抗議を行うようにしましょう

少年野球 試合中の主な禁止事項

全日本軟式野球連盟では、保護者や関係者などからの野次や暴言も、あまりに酷いものはチームの責任になるとされており、特に罰則があるわけではありませんが、目に余るような野次は禁止されています

その他、主な試合中の禁止事項は以下のようなものがあります

プレー中のグラウンドコートの着用

プレイ中は、ピッチャーがランナーに出た場合とベースコーチはグラウンドコートの着用は認められていますが、それ以外の選手はグラウンドコートを着る事が出来ません

寒い時期は肩や肘が冷えやすいので、投手がランナーに出た場合はグラウンドコートを着た方がいいですね(プロ野球でもよく見られる光景です)

ベンチでのルール

コーチスボックスにいる選手と、ネクストバッターサークルで次の打席を待つ選手以外は、試合中はベンチの中にいなければいけないという決まりがあります(監督・コーチも)

また、ベンチ内に持ち込めるメガホンはひとつだけというルールが全日本軟式野球連盟にはあるので、これも必ず守りましょう

喫煙とガムは禁止

全日本軟式野球連盟のルールで、野球場内での喫煙やガムは一切禁止されています

最近は加熱式のタバコもありますが、それでも監督・コーチ・保護者の方は、必ずグラウンド外の喫煙場所に行くようにしましょう

最後に

野球にはプレイ中のルールもたくさんありますが、このように試合の流れ以外の部分でも全日本軟式野球連盟が定めたるーるというのが数多く存在します

プレイ以外のルールもしっかりと理解し、正確な内容を子供たちに伝えていただければなと思います

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