1965年からプロ野球に導入されたドラフト制度
東京ヤクルトスワローズが今までに指名して来た歴代のドラフト1位選手、どのような選手がいてどれだけの実績を残して来たのでしょうか?
成功したドラフト1位選手・失敗したドラフト1位選手がどれくらいの割合なのかを詳しく紹介します
※ドラフトが開始された1965年当時はサンケイスワローズ。その後サンケイアトムズとアトムズを経て、1970年からヤクルト
プロ野球 成功成績の基準
プロ野球の成功成績の基準なんですが、近畿大学でスポーツマネジメントやポーツ社会学を専門とする黒田次郎教授が様々な数字を元に出された数字
投手通算28勝・打者通算427安打
これがプロ野球での成功の基準として有名な数字のようなので、この数字を基準に設定しました
また、スポーツライターの小関順さん二がドラフトで成功基準に挙げている50勝(1S・1Hは0・5勝換算)・500安打という数値もあるので、その中から (1S・1Hは0・5勝換算) というのを採用させていただき、このサイトでは
投手通算28勝 (1S・1Hは0・5勝換算) ・打者通算427安打
この成績を上回った選手を『ドラフト1位で成功した選手』と認定しました
この記事でのドラフト1位 成功選手の基準
■ 投手・通算28勝以上 (1S・1Hは0・5勝換算) 打者・通算427安打以上
■ 成功基準は現役選手も含む(成績は2023年前半戦終了時)
■ 逆指名ドラフト時の1位2位は1位のみ。自由枠2枠は両方1位とする
東京ヤクルト 成功したドラフト1位選手
※現役選手の成績は2023年シーズン終了時点
名前 | 指名年 | ドラフト時所属 | 通算成績 |
---|---|---|---|
加藤俊夫 | 1966年 | 日本軽金属 | 試1507 安962 本116 打431 率.247 |
八重樫幸雄 | 1969年 | 仙台商業 | 試1348 安773 本103 打401 率.241 |
山下慶徳 | 1970年 | 河合楽器 | 試885 安483 本59 打217 率.237 |
永尾泰憲 | 1972年 | いすづ自動車 | 試1114 安610 本23 打208 率.258 |
宮本賢治 | 1981年 | 亜細亜大学 | 試378 55勝71敗7S 防.4.38 |
荒木大輔 | 1982年 | 早稲田実業 | 試180 39勝49敗2S 防.4.80 |
高野光 | 1983年 | 東海大学 | 試182 51勝55敗13S 防.4.08 |
広沢克己 | 1984年 | 明治大学 | 試1893 安1736 本306 打985 率.275 |
伊東昭光 | 1985年 | 本田技研 | 試325 87勝76敗21S 防.4.01 |
川崎憲次郎 | 1988年 | 津久見高校 | 試237 88勝81敗2S 防.3.69 |
西村龍次 | 1989年 | ヤマハ | 試237 75勝68敗2S 防.3.76 |
岡林洋一 | 1990年 | 専修大学 | 試175 53勝39敗12S 防.3.51 |
石井一久 | 1991年 | 東京学館浦安 | NPB:試419 143勝103敗1S 防.3.63 MLB:試105 39勝34敗 防 .4.44 |
伊藤智仁 | 1992年 | 三菱自京都 | 試127 37勝27敗25S 防.2.31 |
山部太 | 1993年 | NTT四国 | 試269 45勝45敗 防.4.40 |
石川雅規 | 2001年 | 青山学院大学 | 試528 185勝185敗8H 防.3.88 |
高井雄平 | 2002年 | 東北高校 | 試144 18勝19敗1S 防.4.96 試969 安882 本66 打386 率.291 |
川島亮 | 2003年 | 八戸大学 | 試105 38勝35敗 防.3.66 |
田中浩康 | 2004年 | 早稲田大学 | 試1292 安1083 本31 打351 率.266 |
松岡健一 | 2004年 | 九州東海大学 | 試491 32勝25敗4S 防.3.78 |
村中恭兵 | 2005年 | 東海大甲府 | 試199 46勝55敗 防.4.30 |
佐藤由規 | 2007年 | 仙台育英 | 試90 32勝36敗 防.3.66 |
山田哲人 | 2010年 | 履正社高校 | 試1381 安1450 本280 打826 率.284 |
石山 泰稚 | 2012年 | ヤマハ | 試490 28勝39敗85S113H 防.3.35 |
杉浦 稔大 | 2013年 | 國學院大學 | 試163 25勝27敗29S1H 防.3.96 |
原樹里 | 2015年 | 東洋大学 | 試117 27勝43敗2H 防.4.18 |
村上宗隆 | 2017年 | 九州学院 | 試693 安670 本191 打514 率.276 |
清水 昇 | 2018年 | 國學院大學 | 試241 9勝25敗1S146H 防.3.05 |
1980年代から90年代前半にかけて奇跡的な成功率です
この時代のドラフト1位が後の野村監督時代で見事に主力となり黄金時代を築くわけですから、ドラフト1位の成功=チーム力アップの典型的なパターンですね
2000年代に入ってからも以前よりは地味ではありますが、ドラフト1位はそれなりに成功しています。そして近年では2017年に村上宗隆選手という大成功のドラフト1位がいます
ただ、これだけドラフト1位でいい選手が獲れているにも関わらず、その中から名球会入りした選手が1人も出ていないんですよね…ここはぜひ石川投手に頑張って欲しいですね
東京ヤクルト 成功しなかったドラフト1位選手
名前 | 指名年 | ドラフト時所属 | 通算成績 |
---|---|---|---|
奥柿幸雄 | 1966年 | 静岡商業 | 試222 安55 本3 打15 率.173 |
中野孝征 | 1967年 | 日本楽器 | 試207 安39 本6 打18 率.210 |
藤原真 | 1968年 | 全鐘紡 | 試196 23勝48敗 防.4.21 |
杉山重雄 | 1971年 | 駒沢大学 | 試26 1勝2敗 防.6.97 |
佐藤博 | 1973年 | 日立製作所 | 試10 0勝0敗 防.3.00 |
永川英植 | 1974年 | 横浜高校 | 試1 0勝0敗 防.9.00 |
杉村繁 | 1975年 | 高知高校 | 試449 安147 本4 打46 率.228 |
酒井圭一 | 1976年 | 長崎海星高校 | 試215 6勝12敗 防.5.08 |
柳原隆弘 | 1977年 | 大阪商業大学 | 試351 安142 本19 打71 率.218 |
原田末記 | 1978年 | 北海道拓銀 | 試4 0勝0敗 防.3.60 |
片岡大蔵 | 1979年 | 国士舘大学 | 試4 0勝0敗 防.1.80 |
竹本由紀夫 | 1980年 | 新日鉄室蘭 | 試37 0勝5敗 防.4.71 |
西岡剛 | 1986年 | 近畿大学 | 試39 0勝4敗 防.4.74 |
長嶋一茂 | 1987年 | 立教大学 | 試384 安161 本18 打82 率.210 |
北川哲也 | 1994年 | 日産自動車 | 試36 4勝5敗 防.5.18 |
伊藤彰 | 1996年 | 山梨学院大付 | 一軍公式戦出場なし(投手) |
三上真司 | 1997年 | 敦賀気比高校 | 試1 0勝0敗 防.0.00 |
石堂克利 | 1998年 | 愛工大名電 | 試26 11勝10敗 防.6.19 |
野口祥順 | 1999年 | 藤代高校 | 試339 安84 本8 打29 率.237 |
平本学 | 2000年 | 立命館大学 | 試12 0勝2敗 防.9.31 |
武内晋一 | 2005年 | 早稲田大学 | 試786 安256 本22 打110 率.222 |
増渕竜義 | 2006年 | 鷲宮高校 | 試157 15勝26敗 防.4.36 |
高市俊 | 2006年 | 青山学院大学 | 試15 0勝2敗 防.8.35 |
加藤幹典 | 2007年 | 慶応大学 | 試23 1勝3敗 防.9.13 |
赤川克紀 | 2008年 | 宮崎商業 | 試76 14勝20敗 防.4.17 |
中澤 雅人 | 2009年 | トヨタ自動車 | 試202 13勝15敗21H 防.5.16 |
川上竜平 | 2011年 | 光星学院 | 一軍公式戦出場なし(野手) |
竹下真吾 | 2014年 | ヤマハ | 試1 0勝0敗 防.13.50 |
寺島成輝 | 2016年 | 履正社高校 | 試36 1勝1敗3H 防.4.37 |
1970年代のヤクルトのドラフト1位は、甲子園のスターから大学社会人とまんべんなく獲りに行っているものの、ことごとく失敗しています
その一方で80年代から90年代にかけては、後の野村ヤクルト黄金時代の主力を担う選手が次々に入団しています
こうやって見ると、ヤクルトが弱かった70年代から80年代にかけて、それ以降の90年代の黄金時代にかけて、ドラフト1位の成否がチーム成績に大きく影響していますね
あと、2016年に引退した川上竜平選手、もし僕のリサーチが間違っていなければ、一軍未出場で引退した、セ・リーグで唯一のドラフト1位打者になります(投手は結構います)
投手に比べて打者のドラフト1位は絶対数が少ないのでそうなるのも仕方がないのかもしれませんが、これは意外でしたね
東京ヤクルトスワローズ 歴代ドラフト1位 成功&失敗 まとめ
東京ヤクルトスワローズの歴代ドラフト1位選手、2023年までの成功選手・失敗選手の割合は
成功28名・失敗29名となっています
現状では失敗の方が少しだけ上回っていますが、ここに奥川恭伸・木沢尚文など1軍で実績のある近年のドラフト1位選手は入ってくるでしょうし、2~3年後には成功選手の方が上回っているはずです
ただ、上にも書きましたが、実はヤクルトスワローズの歴代ドラフト1位からは一人も名球会選手が出ていません
185勝の石川雅規投手か山田哲人選手(2023年前半終了時で1450安打)のどちらかがヤクルトスワローズドラフト1位、第一号の名球会入り最有力候補ですが、これもヤクルトファンにとって今後の楽しみになりますね