読売巨人（ジャイアンツ）のドラフト高卒指名がどれだけ成功してるか調べてみた

2023年11月18日

読売巨人軍（ジャイアンツ）と言えばFAでの大物獲得や、ドラフトも特に逆指名制度の頃はその年のNo.1即戦力選手の獲得も多く、ドラフトで高校生が指名されても『こんな巨大戦力の中に高卒が入っても出番あるの…？』と、他球団ファンですら心配になるレベルだった訳ですが

FAや逆指名制度以前でも、ドラフトの目玉クラスの選手の中に『巨人以外は拒否！』という選手が結構いて、読売巨人軍と言えば、常に大物との激しいポジション争いがあり、他球団に比べて若手のチャンスは非常に少ないというイメージがありました

そんな読売巨人軍（ジャイアンツ）に今までドラフト指名された高校生、果たしてどれくらいプロ野球で活躍する事が出来たのか？とても気になったので調べてみました

同じ条件で、巨人以外の11球団＋近鉄バファローズの高卒選手の育成も調べているので、巨人軍の高卒育成は他球団の高卒育成と比べてどうなのか？というのも、見て行ってください

読売巨人軍（ジャイアンツ）　高卒選手育成の成功基準

まず、プロ野球選手がどの程度の成績を残せば成功と言えるのか？というところですが

この記事では以下の数字を成功の基準としました

投手：『 NPB通算28勝以上』

野手：『 NPB通算427安打以上』

この『投手：通算28勝以上』『野手：427安打以上』という数字ですが、これは黒田次郎さんという近畿大学の教授が提唱する、プロ野球選手の成功基準の成績なんですね

黒田次郎・近畿大学教授

スポーツ社会学やスポーツマネジメントの専門家。プロ野球に関する研究実績も豊富で、広島カープのフロントで勤務経験もある

この数字は成功基準として、個人的にも絶妙な数字だと思いますし、今回はこの成績を高卒選手の成功基準とさせていただきます

ただ、投手の通算28勝に関しては、リリーフで長年活躍してる選手でも難しい数字ですよね。例えば、楽天の松井裕樹投手でさえ、現時点の通算勝利は24勝です

なので、投手に関しては野球ファンにもお馴染みのスポーツライター、小関順二さんが以前から提言されていた1ホールド＆1セーブは0.5勝案を採用

これらをまとめた、今回の高卒選手の成功基準は

投手：『 NPB通算28勝以上（1H・1Sにつき0.5勝で計算）』

野手：『NPB 通算427安打以上』

投手野手それぞれ、通算でこの成績以上を残した選手を成功とします

巨人軍の歴史には王貞治さんを始め、ドラフト制以前の入団でも素晴らしい高卒選手がいますが、今回はデータ収集の都合上、ドラフトで入団した選手のみを対象としています

プロ野球「ドラフト」総検証 1965

著:出野哲也

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読売巨人軍（ジャイアンツ）がドラフト指名した高校生　成功選手　投手編

※現役選手の成績は2023年終了時点

堀内恒夫

ドラフト年：順位	1965年・ドラフト1位
出身高校	山梨：甲府商業高校
通算成績	試560：203勝139敗：防3.27
キャリアハイ	1972年：試48：26勝9敗6S：防2.91
獲得タイトル	新人王：1966年最多勝：1回・1972年最優秀防御率：1回・1966年最高勝率：3回・1966年・1967年・1972年沢村賞2回：1966年・1972年最優秀選手：1回・1972年ベストナイン：2回・1972年・1974年ダイヤモンドグラブ賞：（1972年~1978年）

堀内恒夫の主な記録

新人シーズンで14完投：高卒新人セリーグ最多
新人シーズンで7完封：高卒新人セリーグ最多
新人シーズンで16勝：高卒新人セリーグ最多
新人シーズンで防御率1.39：高卒新人セリーグ記録
新人から2年連続で最高勝率：プロ野球史上唯一
最高勝率3回：セリーグ最多
ダイヤモンドクラブ（現GG）7年連続受賞：投手として歴代最長
投手の3打席連続本塁打：プロ野球史上唯一
日本シリーズで1試合2本塁打：投手として史上唯一
シーズン勝率889：1966年16勝2敗・セリーグ記録

松原明夫　※1980年から福士敬章に改名

ドラフト年：順位	1968年・ドラフト外
出身高校	鳥取：鳥取西高校
通算成績	試339：91勝84敗9S：防3.68
キャリアハイ	1978年：試41：15勝8敗：防3.60
獲得タイトル	最高勝率：1回・1980年

定岡正二

ドラフト年：順位	1974年・ドラフト1位
出身高校	鹿児島：鹿児島実業高校
通算成績	試215：51勝42負3S：防3.83
キャリアハイ	1982年：試30：15勝6敗：防3.29

西本聖

ドラフト年：順位	1974年・ドラフト外
出身高校	愛媛：松山商業高校
通算成績	試504：165勝128負17S：防3.20
キャリアハイ	1989年：試30：20勝6負17S：防2.44
獲得タイトル	最多勝；1回・1989年最高勝率：1回・1989年沢村賞：1回・1981年ゴールデングラブ賞：8回・1979年~1985年・1989年

ゴールデングラブ賞8回受賞は桑田真澄と並び、プロ野球史上最多受賞

槙原寛己

ドラフト年：順位	1981年・ドラフト1位
出身高校	愛知：大府高校
通算成績	試463：159勝128敗56S：防3.19
キャリアハイ	1993年：試28：13勝5負：防2.28
獲得タイトル	新人王：1983年最多奪三振：1回・1988年

斎藤雅樹

ドラフト年：順位	1982年・ドラフト1位
出身高校	埼玉：市立川口高校
通算成績	試426：180勝96敗11S：防2.77
キャリアハイ	1989年：試30：20勝7敗：防1.62
獲得タイトル	最多勝：5回・1989・1990・1992・1995・1996年最優秀防御率：3回・1989・1990・1996年最高勝率：3回・1990年・1992年・1996年最多奪三振：1回・1990年沢村賞3回：1989・1995・1996年最優秀選手：1回・1990年最優秀投手：5回・1989・1990・1992・1995・1996年ベストナイン：5回・1989年・1990・1992・1995・1996年ゴールデングラブ賞：4回・1990・1992・1995・1996年

斎藤雅樹の主な記録

開幕戦3年連続完封勝利：プロ野球歴代唯一
11試合連続完投勝利：プロ野球歴代最長
沢村賞3回受賞：プロ野球歴代最多
1シーズン7完封：1989年・プロ野球歴代最多
通算勝率.652 ：通算2000回投球以上の投手でプロ野球歴代3位

水野雄仁

ドラフト年：順位	1983年・ドラフト1位
出身高校	徳島：池田高校
通算成績	試265：39勝29負17S：防3.10
キャリアハイ	1987年：試24：10勝4敗：防2.61

香田勲男

ドラフト年：順位	1983年・ドラフト2位
出身高校	長崎：佐世保工業高校
通算成績	試350：67勝54敗11S：防3.82
キャリアハイ	1990年：試23：11勝5敗：防2.90

桑田真澄

ドラフト年：順位	1985年・ドラフト1位
出身高校	大阪：PL学園高校
通算成績	NPB:試442 173勝141敗14S 防.3.55 MLB: 試19 0勝1敗防.9.43
キャリアハイ	1989年：試30：17勝9敗：防2.60
獲得タイトル	最優秀防御率：2回・1987・2002年最高勝率：1回・1998年最多奪三振：1回・1994年沢村賞1回：1987年最優秀選手：1回・1994年最優秀投手：1回・1987年ベストナイン：1回・1987年ゴールデングラブ賞：8回・1987・1988・1991・1993 1994・1997・1998・2002年

ゴールデングラブ賞8回受賞は西本聖と並び、プロ野球史上最多受賞

木田優夫

ドラフト年：順位	1986年・ドラフト1位
出身高校	山梨：日大明誠高校
通算成績	NPB:試516 73勝82敗50S50H 防.3.91 MLB:試65 1勝1敗1S4H 防.5.83
キャリアハイ	1990年：試32：12勝8敗7S：防2.71
獲得タイトル	最多奪三振：1回・1990年

プロ初安打がサヨナラホームラン：投手ではプロ野球史上唯一

石毛博史

ドラフト年：順位	1988年・ドラフト外
出身高校	千葉：市立銚子
通算成績	試375：34勝29敗83S：防3.44
キャリアハイ	1993年：試48：6勝5敗30S：防2.96
獲得タイトル	最優秀救援投手：1回・1993年

岡島秀樹

ドラフト年：順位	1993年・ドラフト3位
出身高校	京都：東山高校
通算成績	NPB:試549 38勝40敗・50S74H 防.3.19 MLB:試266 17勝8敗・6S84H 防.3.09
キャリアハイ	2012年：試56：0勝2敗：9S24H：防0.94

真田裕貴

ドラフト年：順位	2001年・ドラフト1位
出身高校	兵庫：姫路工業高校
通算成績	試312：24勝28敗・3S41H 防.4.42
キャリアハイ	2009年：試68：5勝4敗：19H：防2.98

2013年、台湾リーグで歴代最多の32ホールドで最優秀中継ぎ投手賞獲得

林昌範

ドラフト年：順位	2001年・ドラフト7位
出身高校	千葉：市立船橋高校
通算成績	試421：22勝26敗・22S99H 防.3.49
キャリアハイ	2005年：試54：2勝2敗：18S15H：防1.61

プロ全球団から勝利を挙げた投手は林を含め歴代20人いるが、通算20勝目で全球団勝利は歴代最速

西村健太朗

ドラフト年：順位	2003年・ドラフト2位
出身高校	広島：広陵高校
通算成績	試470：38勝34敗・81S77H 防.3.12
キャリアハイ	2013年：試71：4勝3敗：42S10H：防1.13
獲得タイトル	最多セーブ：1回・2013年

東野峻

ドラフト年：順位	2004年・ドラフト7位
出身高校	茨城：鉾田第一高校
通算成績	試124：32勝30敗・2S2H 防.3.43
キャリアハイ	2010年：試27：13勝8敗：防3.27

宮國椋丞

ドラフト年：順位	2010年・ドラフト2位
出身高校	沖縄：糸満高校
通算成績	試227：22勝22敗・1S21H 防.3.93
キャリアハイ	2012年：試17：6勝2敗：防1.86

今村信貴

ドラフト年：順位	2011年・ドラフト2位
出身高校	大阪：太成学院高校
通算成績	試173：25勝22敗・24H 防.4.03
キャリアハイ	2018年：試13：6勝2敗：防3.86

田口麗斗

ドラフト年：順位	2013年・ドラフト3位
出身高校	広島：広島新庄高校
通算成績	試277：45勝52敗・37S44H 防.3.36
キャリアハイ	2017年：試26：13勝4敗：防3.01

戸郷翔征

ドラフト年：順位	2018年・ドラフト6位
出身高校	宮崎：聖心ウルスラ学園高校
通算成績	試96：43勝27敗・防.2.98
キャリアハイ	2022年：試25：12勝8敗：防2.62
獲得タイトル	最多奪三振：1回・2022年

読売巨人軍（ジャイアンツ）がドラフト指名した高校生　成功選手　野手編

河埜和正

ドラフト年：順位	1966年・ドラフト6位
出身高校	愛媛：八幡浜工業高校
通算成績	試1430：率251：安1051：本115：点416
キャリアハイ	1978年：試128：率291：本9：点55
獲得タイトル	ベストナイン：1回・1977年ダイヤモンドグラブ：1回・1974年

弟の河埜敬幸（南海・ダイエー）と兄弟共に1000試合出場＆1000安打以上。日本人では河埜兄弟のみ（外国籍選手ではレオン兄弟）
3打席連続三塁打：1974年・日本プロ野球唯一

淡口憲治

ドラフト年：順位	1970年・ドラフト3位
出身高校	兵庫：三田学園高校
通算成績	試1639：率275：安1076：本118：点474
キャリアハイ	1983年：試119：率302：本10：点50

庄司智久

ドラフト年：順位	1971年・ドラフト3位
出身高校	和歌山：新宮高校
通算成績	試828：率250：安532：本44：点197
キャリアハイ	1981年：試127：率293：本10：点63

篠塚利夫

ドラフト年：順位	1975年・ドラフト6位
出身高校	千葉：銚子商業高校
通算成績	試1651：率304：安1696：本92：点628
キャリアハイ	1984年：試126：率334：本12：点66
獲得タイトル	首位打者：2回・1984・1987年ベストナイン：5回・1981・1982・1984・1986・1987年ゴールデングラブ：4回・1981・1982・1984・1986年

岡崎郁

ドラフト年：順位	1979年・ドラフト3位
出身高校	大分：大分商業高校
通算成績	試1156：率260：安906：本63：点384
キャリアハイ	1989年：試127：率268：本12：点59
獲得タイトル	ゴールデングラブ：1回・1990年

駒田徳広

ドラフト年：順位	1980年・ドラフト2位
出身高校	奈良：桜井商業高校
通算成績	試2063：率289：安2006：本195：点953
キャリアハイ	1992年：試127：率307：本27：点64
獲得タイトル	ベストナイン：1回・1998年ゴールデングラブ：10回・1989~1991・1993~1999年

史上初のプロ初打席が満塁本塁打

川相昌弘

ドラフト年：順位	1982年・ドラフト4位
出身高校	岡山：岡山南高校
通算成績	試1909：率266：安1199：本43：点322
キャリアハイ	1994年：試130：率302：本0：点33
獲得タイトル	ベストナイン：1回・1994年ゴールデングラブ：6回・1989~1991・1993・1994・1996年

通算犠打数533は世界最多記録

緒方耕一

ドラフト年：順位	1986年・ドラフト6位
出身高校	熊本：熊本工業高校
通算成績	試685：率263：安486：本17：点130
キャリアハイ	1990年：試119：率259：本3：点27
獲得タイトル	盗塁王：2回・1990・1993年

吉岡雄二

ドラフト年：順位	1989年・ドラフト3位
出身高校	東京：帝京高校
通算成績	試1012：率273：安883：本131：点463
キャリアハイ	2002年：試140：率269：本26：点72

元木大介

ドラフト年：順位	1990年・ドラフト1位
出身高校	大阪：上宮高校
通算成績	試1205：率262：安891：本66：点378
キャリアハイ	1998年：試114：率297：本9：点55

松井秀喜

ドラフト年：順位	1992年・ドラフト1位
出身高校	石川：星稜高校
通算成績	NPB:試1268：率.304：安1390：本332 ：点889 MLB:試1236 ：率.282：安1253：本175：点760
キャリアハイ	2002年：試140：率334：本50：点107
獲得タイトル	首位打者：1回・2001年本塁打王：3回・1998・2000・2002年打点王：3回・1998・2000・2002年最高出塁率：3回・1998・2000・2002年 MVP：3回・1996・2000・2002年ベストナイン：8回・1995~2002年ゴールデングラブ：3回・2000~2002年

松井秀喜の主な記録

シーズン出塁率：463・2001年・読売ジャイアンツ球団記録
1250試合連続出場：読売ジャイアンツ球団記録
5年連続100得点以上・日本プロ野球記録
65試合連続出塁：セリーグ歴代最長記録
メジャーリーグの新人で163試合出場：メジャー歴代最多

坂本勇人

ドラフト年：順位	2006年・ドラフト1位
出身高校	青森：光星学院高校
通算成績	試2101：率291：安2321：本288：点1004
キャリアハイ	2019年：試143：率312：本40：点94
獲得タイトル	首位打者：1回・2016年最高出塁率：1回・2016年最多安打：1回・2012年 MVP：1回・2019年ベストナイン：7回・2009・2012・2016・2018~2021年ゴールデングラブ：5回・2016・2017・2019~2021年

坂本勇人の主な記録

2008年4月、プロ初本塁打がセリーグ史上最年少満塁本塁打
遊撃手との出場試合：プロ野球歴代最多・現在も更新中
遊撃手として出場試合での本塁打：プロ野球歴代最多・現在も更新中
遊撃手で13年連続二桁本塁打：プロ野球タイ記録（豊田泰光と並ぶ）
東京ドーム初の東京ドームでの1000安打

大田泰示

ドラフト年：順位	2008年・ドラフト1位
出身高校	神奈川：東海大相模高校
通算成績	試907：率259：本84：点343
キャリアハイ	2019年：試132：率289：本20：点77
獲得タイトル	ゴールデングラブ：1回・2020年

岡本和真

ドラフト年：順位	2014年・ドラフト1位
出身高校	奈良：智弁学園
通算成績	試862：率272：安857：本206：点585
キャリアハイ	2023年：試140：率278：本41：点93
獲得タイトル	本塁打王：3回・2020・2021・2023年打点王：2回・2020・2021年ベストナイン：1回・2020年ゴールデングラブ：2回・2021・2022年

22歳で3割・30本塁打・100打点超え：プロ野球史上最年少

読売巨人軍（ジャイアンツ）のドラフト　高校生指名成功調べ　まとめ

1965年のドラフト制度開始から2023年まで、読売巨人軍にドラフト指名された高校生の中で

『通算28勝以上（1ホールド・1セーブは0.5勝として計算）』の成績を残した高卒投手が20人

『通算427安打以上』の成績を残した高卒野手が14人。投手野手合計で34人でした

これ、他球団と比較するとどの程度の数字なのかを確認してみましょう

第1位・福岡ソフトバンクホークス	高卒成功選手・38人：投手15人：野手23人
第1位・広島東洋カープ	高卒成功選手・38人：投手18人：野手20人
第3位・埼玉西武ライオンズ	高卒成功選手・35人：投手13人：野手22人
第4位・読売巨人軍	高卒成功選手・34人：投手20人：野手14人
第4位・中日ドラゴンズ	高卒成功選手・34人：投手16人：野手18人
第6位・東京ヤクルトスワローズ	高卒成功選手・32人：投手15人：野手17人
第6位・北海道日本ハムファイターズ	高卒成功選手・32人：投手16人：野手16人
第6位・横浜DeNAベイスターズ	高卒成功選手・32人：投手15人：野手17人
第9位・千葉ロッテマリーンズ	高卒成功選手・27人：投手16人：野手11人
第10位・オリックスバファローズ	高卒成功選手・18人：投手9人：野手9人
第11位・阪神タイガース	高卒成功選手・16人：投手9人：野手7人
※東北楽天ゴールデンイーグルス	高卒成功選手・8人：投手7人：野手1人
※大阪近鉄バファローズ	高卒成功選手・25人：投手15人：野手10人